お茶・コーヒー・ココアの違い

中国茶部 部長の清水です。

「お茶とコーヒー、どういう違いがあるの?」

という質問がありました。

いずれもメジャーな嗜好飲料ですが、どのような違いがあるでしょうか?
詳しく見てみましょう。

1.原料

お茶

お茶の原料は、「チャノキ」の葉や茎です。
乾燥させた茶葉にお湯を注ぎ、抽出された液を飲みます。
チャノキは、ツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹で、中国南部~インド北部が原産地です。
比較的水を好み、温暖な気候を好みます。

北緯45度から南緯35度の地域で育ちやすいので、その地域を「ティーベルト」と呼びます。
ティーベルトに含まれる産地は、中国、日本、スリランカ(セイロン)、インド(アッサム、ダージリン、ニルギリ)、ケニア、ウガンダなどがあります。

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コーヒー

コーヒーの原料は、「コーヒーノキ」の種子です。コーヒー豆と呼びます。
コーヒー豆を焙煎し、砕いたものにお湯を注ぎ、抽出された液を飲みます。
コーヒーノキは、アカネ科コーヒーノキ属の常緑広葉樹で、アフリカ東部が原産地です。
熱帯の植物なので、暑さに強く日差しを好み、雨季と乾季がはっきりしているところで育ちます。

北緯25度から南緯25度の地域で育ちやすいので、その地域を「コーヒーベルト」と呼びます。
コーヒーベルトに含まれる産地は、ケニア、タンザニア、エチオピア、ジャマイカ、ブラジル、グァテマラなどがあります。
日本でも、沖縄県でコーヒーの栽培を行っています。

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ココア

ココアの原料は、「カカオ」の種子です。カカオ豆と呼びます。
カカオ豆を発酵・焙煎したものをすりつぶし、油脂分を絞ったカスをお湯に溶かして飲みます。
カカオは、アオイ科カカオ属の常緑広葉樹で、南米が原産地です。
熱帯雨林が原産の植物なので、温かく湿度が多い環境を好みます。

北緯20度から南緯20度の地域で育ちやすいのですが、雨量や土質などの条件が厳しく、
栽培できる地域が非常に限られています。
ベネズエラ、エクアドル、ブラジル、ガーナ、コートジボアール、インドネシアなどで生産されています。

ちなみに、ココアに油脂、ミルク、砂糖などを加えたものが「チョコレート」です。

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2.体へ与える影響

煎茶とブラックコーヒーの成分を、日本食品成分表から抜粋しました。
ココアについては、溶かす前の粉の状態しか記載がなかったので、
森永製の缶飲料の成分から推測された値を参考値として記載します。

100g中 エネルギー 食物繊維 ビタミンC カフェイン タンニン ポリフェノール
煎茶 2kcal 6mg 20mg 70mg
コーヒー(ブラック) 4kcal 0mg 60mg 250mg
森永製 缶飲料 65kcal (0.8g) (0mg) (微量) 140mg

葉から作る煎茶は、種子であるコーヒーやココアに比べて、ビタミンCが含まれ低カロリーです。

コーヒーは「カフェイン」の語源となっただけあり、カフェインが豊富に含まれています。

豆をすり潰したココアは、抽出液である煎茶やコーヒーと比べて、食物繊維がそのまま含まれています。
ただし、砂糖や脂肪分が添加されることでカロリーが高くなっているので、注意が必要です。
また、カフェインは「微量」となっていますが、カフェインによく似た「テオブロミン」という成分が含まれています。

いずれも、動脈硬化を防止したりリラックス効果があったりと、体にいい効果もありますが、
カフェインやテオブロミンには鉄分の吸収を抑制する作用や興奮作用がありますので、飲みすぎには注意が必要です。
特に 妊娠中・授乳中の女性や、消化機能が整っていない小さいお子様は、控えたほうがよいでしょう。

 

正しくお付き合いをして、おいしく楽しんでくださいね。