〈活動報告〉中国茶部② 中国茶について学ぼう

中国茶部第2回目のイベントです。
突発で集めたとはいえ、満員御礼になってよかったよかった!
 
今回は「中国茶入門講座」をテーマに実施しました。
会場となった茶心居のオーナーである坪内氏からレクチャーを受け、5種類のお茶を飲み比べました。
 
1.お茶とは
お茶とは、「植物の成分をお湯で煮出した飲み物」です。
狭義ではチャノキ(学:カメリア・シネンシス)という、中国南部が原産の木の葉から作ったものを指しますが、ドクダミ茶や麦茶など、チャノキ以外から作られる場合もあります。
亜熱帯性の木なので、中国南部・西日本・インド・スリランカなどで栽培されています。
 
レタスやほうれん草などを放置しておくと、みずみずしい緑色だった葉が徐々に萎びて黄変していき、やがて茶色に枯れます。
これは、植物の葉の持つ酵素の働きによるものです。
この酵素の働きによる発酵で、お茶の風味が変わります。
 
2.中国茶の種類
中国茶には、大きく分けて7種類あり、それぞれ発酵度が変わります。
 白茶 - 微発酵。かなりレア。
 黄茶 - 微発酵。同じくレア。
 緑茶 - 無発酵。日本茶と似ているが、蒸すのではなく炒って(油を入れずに炒めて)いる。
 青茶 - 中発酵。いわゆる烏龍茶だが、緑茶に近いものから紅茶に近いものまで様々。
 紅茶 - 完全発酵。キーマンやラプサンスーチョンなど、「紅茶」として売られている場合もある。
 黒茶 - 後発酵。いわゆるプーアル茶。コウジカビで発酵させる。脂肪を分解する作用がある。
 花茶 - ジャスミン茶など。完成したお茶に花を混ぜて香りを移したもの。

製法の違いや、産地、木の品種などにより、中国茶のブランドは数千種類に及ぶといわれています。
 
中国茶の特徴として、葉を粉砕せずにそのままの形で圧縮されています。
日本茶や紅茶のように粉々になっていると、1煎目にフルで成分が抽出され、すぐに出がらしになってしまいます。
葉が丸々残っている中国茶は、成分がゆっくりゆっくり出てくるので、5煎目でも味を楽しむことができます。
一見値段が高く思えますが、実はとってもコスパがいいのです。
女子会など、とにかく長く一緒に居ておしゃべりをしていたい!
または、1人でじっくりと本を読みながら……という時にうってつけですね(笑)
 
3.お茶の歴史
中国で産まれたお茶は、鎌倉時代に臨済宗の開祖・栄西によって日本にもたらされました。
その後、中国本土では、発酵により香りの良いお茶を生み出す技術が生まれました。
そのお茶は、産業革命で水質が悪くなったイギリスにもたらされ、イギリスでティータイム文化が生まれました。
イギリスは安くお茶を手に入れるため、植民地だったインドやスリランカに茶の木を植え、ダージリンやセイロンなどの銘柄となりました。
また、お茶の代金代わりにアヘンを輸出したことが原因で、中国との間にアヘン戦争が勃発しました。
 
4.実演
以下のお茶を、色々な方法で実演してもらいました。
【お品書き】
☆竹葉青(緑茶:四川) – 日本茶に近い。竹の葉のようにシャープな茶葉が特徴。茶葉の形を愛でるために、グラスで淹れるとオシャレ。
☆四季春(青茶:台湾) – 日本茶に近い苦味がありつつも、甘い香りが特徴。コロコロとした形もかわいい。
☆大紅袍(青茶:福建) – 某大手のペットボトルに近い色・味。皇帝御用達の貴重なお茶。「岩茶」という
☆金芽テン紅(紅茶:雲南) – 西洋紅茶より色が薄く、渋みが少ない。エリザベス女王に献上されたお茶。
☆七子餅(黒茶:雲南) – 炭フレーバーが薄めで飲みやすい。7個セットのフリスビーのような形(=餅)で売られています。
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↑ちなみにこの中には、キロ5万の超高級茶葉もあります。
「値段 = おいしい ではなく、値段 = 希少価値 なのがミソ。
あっちのお茶なんて、値段は決まってそうで決まっていないようなものだから。」
と、坪内さんは仰っていました。
だからこそ、坪内さんの目利きの腕があるんですね。
(別の場所で聞いた噂ですが、現地に行って高い金を出しても、偽者を掴まされることがちょいちょいあるらしいです。コワイネ!)
 
ご用意いただいた素焼きの茶壷(急須)は、茶渋を吸い、布で磨かれて、美しい艶が出ていました。
茶壷を使い込んでいくことを「茶壷を育てる」と言いますが、質感の変化は革のバッグを彷彿とさせます。
 
「日本茶用の急須は、サイズが大きいので濃度のコントロールが大変なのと、アツアツの状態で飲みきれないほど作れてしまいます。
中国茶の急須は、手のひらサイズでデザインもかわいいものが多いので、ぜひ集めてみてはいかがでしょうか。」
と言っていました。
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最期に、お手製の練乳とびわのアイスを頂いて、流れ解散しました。
 
5.まとめ
中華料理の大皿と同じで、1回分で何煎も出せるお茶なので、みんなでシェアしたほうが様々な種類を試すことができます。
「これ好き!」
「甘い香りだね。」
と、みんなでワイワイ意見を交わすことで、更に楽しくテイスティングを楽しむことができました。
 
お子様も参加して、「こっちのほうがおいしい!」と、お茶の違いを楽しんでいました。
親御さんも「まさか、お茶の違いが分かるなんて!」と驚いていましたが、味覚が敏感で、先入観を持たない子供のほうが、分かるのかもしれませんね。
 
また今後も、機会があれば開催したいと思います。
「烏龍茶特集をして!」など、リクエストがあればお待ちしています。
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